癌医療最前線 国立がんセンターにおける癌医療・1
先駆的な治療分野と医療の現況—非リンパ性白血病児の骨髄移植
pp.4-5
発行日 1983年1月1日
Published Date 1983/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919746
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小児リンパ性白血病は治ゆ率か50%以上
白血病といっても種類が沢山あることはよく知られている.大きく,リンパ性と非リンパ性に分けられるが小児白血病で一番多いのは急性リンパ性白血病(ALL)である.このALLに対しては,化学療法と放射線療法の導入により多くが寛解導入さ札5年生存率は50%以上となっている.今日ではALLは不治の病ではないと言っても過言ではないほど治療成績は上がっている.
これに対し,数は少ないが大人の白血病に多い非リンパ性である急性骨髄性白血病(AML)の治療成績はあまりはかばかしくない.平均生存期間は1年半ほどである.今日,このAMLと,ALLで再発を繰り返し予後が悪い患者に対しては骨髄移植が注目されている.世界で推定2000例以上の骨髄移植が行われ、その成功率も最近では50-60%に高められている帆骨髄移植は我が国においては極めて少なく,特に小児例では国立がんセンターで2例,全国併せて数例にしか過ぎない.
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