喫煙の生理・衛生学・11
喫煙と女性[2]—不妊症・妊娠合併症との関係
浅野 牧茂
1
1国立公衆衛生院生理衛生学部
pp.693-696
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919584
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喫煙習慣と不妊症
喫煙によって男女に共通な生体影響を被るばかりでなく,女性には妊娠,出産,乳汁分泌のような特有な生理現象があるので,妊娠中はもちろん,それ以前から新しい生命の芽生えや生育とも喫煙習慣は無関係ではない.
米国における2016人の既婚者あるいは結婚経験者で,喫煙習慣の明らかな女性を対象とした調査結果1)によると,常習喫煙者であって1度も妊娠したことのない不妊症実測例数を,非喫煙者の場合を基礎にして予測した症例数と比較したところ,表1のように,様々な要因を考慮してみても喫煙習慣が不妊症発生の危険を明らかに高めている.
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