特集 終末期患者の訪問看護
座談会/終末期患者の訪問看護はどこまで可能か
木下 安子
1
,
岡庭 孝子
2
,
渡辺 恭子
3
,
新津 ふみ子
4
1東京都神経科学総合研究所
2代々木病院内科外来
3日野市役所
4新宿区立区民健康センター
pp.764-772
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919601
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木下 私はこの間,小病院の看護婦のケーススタディに出席しました.膵臓癌末期患者でとても家族関係が良く本人も帰りたい,家族も家で看とりたいと切望して,退院した人がいました.自宅に帰っても病院からは訪問看護を提供し,医師も往診して終末期ケアを全うしたのですが,感動的な事例でした.
というのは,今,医療がかなり高度化していますから,膵臓癌だと中心静脈栄養だの,ドレーンだのチューブがいっぱい入ってるような状態ですから,訪問看護もかなり大変で,1回訪問すれば1時間半はタップリケアにかかったでしょうが,それをやり通したんですね.病院で行われていた医療・看護内容のレベルを落とすのでなく,その水準を保ち,なおかつ患者も安心して療養し,家族も手を尽くしたという思いで死を迎えたのでした.
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