特集 時代が生む神経症の子供たち
神経症の子供たちと社会のあり方
岩田 泰子
1
1神奈川県立こども医療センター精神科
pp.394-400
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919519
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はじめに
その時代を一番強く反映しているものが青年たちだとすると,次の時代を予感させるものは,もっと幼い‘子供たち’ではなかろうか.その意味で,子供たちは次の時代を孕んでいるといえよう.そしてその期待される予感の中で,次の時代にひとつの警告を発しているのは,精神的な問題を抱え,心の病をもつ子供たちであろう.
精神的な問題を抱え,不適応をきたしているといっても,その現れ方は様々である.登校拒否,家庭内暴力,非行,食欲不振症,表1,2,3に示すような神経症的症状等である.それらの子供たちと社会との接点を精神科治療を通して考えてみたい.
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