グラフ開運記事
地域社会で生きて子供を育てるとは
小山内 美智子
1
1札幌いちご会
pp.799-801
発行日 1985年9月25日
Published Date 1985/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206726
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「障碍者」として生きて
重い障碍をもった者が,親元を離れ,施設にも入らずに暮らしてゆくためには,数えきれない困難がある。まして,結婚,出産ともなると,その困難さは,ますます大きくなってくる。障碍者は大人になっても親に依存して生きてきた。親が年老いてくると,施設に入るしか生きてゆく道はなかった。私たちは一生,障碍のない人たちに依存し,生かされてきた時代が,あまりにも長く続いた。生かされる時代から,自分で生きる時代に変えてゆかねばならない。
寝たきりで食事を食べさせてもらっても,トイレに行き,おしりを拭いてもらわなければならなくても,私たちは,障碍のない男や女と同じ希望をもってもおかしくはない。こんなことを言うと一般の人たちは眉をひそめる。「自分のこともろくにできないのに,結婚,子供まで……!?」と,長い議論になる。
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