特集 クリティカル・ケア[2]—事例にみる系統的アプローチとケアの実際
クリティカルな患者に対する看護内容の検討—開心術後24時間以内の看護行為と所要時間の調査をもとに
市田山 久美
1
,
梶原 美子
1
,
安富 慶子
1
1大阪大学病院集中治療部
pp.279-283
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919494
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
大阪大学病院集中治療部における病床数は5床で,看護婦20名が配置され,日勤7-8名,準夜および深夜勤は各々3名で,主として受け持ち制の看護体制をとっている.
昭和55年度疾患系統別入室者数をみると,表1に示すように,心・大血管術後患者が60.7%と最も多い.これら急性期でしかも心肺危機にある患者に対する看護ケアは,ともすればバイタルサインの測定,治療介助などに追われ,人間の基本的欲求に対する援助,すなわち精神的援助,患者の身体の清潔,皮膚の保護などのケアを満足に行えないことも少なくない.そこで,当施設に収容された開心術直後患者の1症例について,24時間内に行われる看護行為および所要時間を調査し,クリティカルな状態の患者に対する看護内容について考察した.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.