連載 OBSTETRIC NEWS
分娩第2期の所要時間を考える
武久 徹
pp.94-96
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903517
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分娩第2期の所要時間に影響を与える因子は,妊娠週数,胎位(頭位または骨盤位),麻酔,児体重,高齢妊婦(>35歳),胎児回旋(後方後頭位)である.したがって,分娩第2期遷延(>2時間)の原因自体が母子に対し危険因子となっている可能性がある.とくに,後方後頭位の場合に鉗子分娩を行うと,分娩予後は有意に悪化する(表1)(J Reprod Med 38:955, 1993).
分娩第2期は,何時間まで経過観察できるのだろうか? 米国小児科学会(AAP)と米国産婦人科学会(ACOG)の最新の指針では,分娩第2期所要時間は局所麻酔が使用されていなければ,持続的に分娩進行がみられず,未産婦は2時間,経産婦は1時間以上となった場合は,経過観察する場合の危険と恩恵を調べ,記載するべきであると述べている(AAP&ACOG Guidelines for Per—inatal Care.4th ed, p 112, 1997).しかし,羊水量測定,胎児心拍数(FHR)モニタリング,胎児児頭頭皮血採取,FASテストなどの最近の分娩管理方法が的確に使用された場合にも,従来までの管理方法は守られるべきであろうか?
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