ベッドサイドの看護
長期呼吸管理を必要とする甲状腺クリーゼ患児の看護
東谷 早弓
1
,
亀田 あや子
1
,
栄長 若子
1
1大阪市立小児保健センター内科病棟
pp.66-70
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919447
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はじめに
甲状腺機能亢進症には,多くの合併症がある.中でも甲状腺クリーゼは,交感神経系機能異常を主な病態とし,放置すれば確実に死に至り,また積極的治療によっても,その約20%が死亡するとされている緊急事態である.今回,私たちは,甲状腺クリーゼを発症し早急に呼吸管理を必要とした重症患児の看護を経験した.本来ならICUでの管理が適切な例と考えられたが,今回,一般病棟で看護せざるを得ない現実の中から,バイタルサインの判断の困難さ,闘病意欲をもたせることの大切さ,そしてコミュニケーションが一方通行の場合の看護のあり方など,多くのことを学ぶ機会を得たので,経過および看護の展開を紹介し,考察してみたい.
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