増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル
Ⅲ.産科編
妊産褥婦の合併疾患への対処法
内分泌・自己免疫疾患
甲状腺クリーゼ
脇野 修
1
1慶應義塾大学医学部内科学教室腎臓内分泌代謝内科
pp.310-316
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209701
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当直医へのコール
◉甲状腺クリーゼは疑うことから診療が始まる.甲状腺疾患の既往歴や診断基準の症状がそろった時は,甲状腺ホルモン値をオーダーすることが肝要である.
◉妊娠による甲状腺機能亢進症から甲状腺クリーゼとなることは少ない.甲状腺機能亢進症の既往を有する患者に感染,耐薬などのさまざまな背景で発症する.
◉中枢神経症状,発熱(38℃以上),頻脈(130回/分以上),心不全症状,消化器症状が3つ以上か2つ以上そろっていた場合,積極的に疑うこととなる.
◉疑ったら初期治療が重要であるのでICU,HCU管理として,循環器医,内分泌医,神経内科医,麻酔科医などさまざまな科への依頼を行い集学的に治療を進める.
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