ベッドサイドの看護
ヒビテン浴を中心とした開放性粉砕骨折患者の看護
松村 絹代
1
,
福永 美砂子
1
1大阪鉄道病院
pp.71-74
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919448
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はじめに
近年,交通事故による傷害がますます増加し,なかでも下肢の重度の複雑骨折患者は,社会復帰に至るまでに長期の治療期間を要し,また後遺症としての機能障害のために,元の職種への復帰が難しい場合が少なくない.本事例は単車事故による左下腿開放性粉砕骨折で,開放創が大きく,また複雑な骨折のため下腿切断の診断がなされたが,患者は切断を強く拒否して,当院へ転院してきた.
当院において,創外固定術による整復を行い,開放創の治癒促進のために薬浴を試みた結果,肉芽形成は予想以上に効果を上げ,創は縮小し,2次感染も防止できて,その後の骨移植術,骨切り術も行える皮膚にまで改善され,最終的には切断することなく,短下肢装具を使用して歩行ができるようになり,元の職場に復帰することができた.
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