特集 遷延性意識障害患者の家庭復帰
重度の意識障害をもつ小児の退院に向けての援助
中村 慶子
1
,
大森 一恵
1
,
青山 百合枝
2
1愛媛大学医学部付属病院小児科病棟
2愛媛大学医学部付属病院外科病棟
pp.46-50
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919444
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はじめに
成長期にある小児の入院はできる限り短期間とし,1日も早く家庭に帰すように援助する必要がある.しかし多くの障害をもつ児の家庭養育への移行は難しい.生命の危機が去り,激しい緊張状態から緩和された後,長期におよぶ障害児の養育は,その家族,特に母親にとっては大きな課題である.そして,入院中の看護から退院へ向けて,看護婦として退院指導へのかかわりは重要である.
継続看護の展開へ向けて努力する中で,脳炎によって重度の意識障害と機能障害を残したまま家庭養育に移した患児の看護を経験した.その2事例の経過を報告し,具体的な退院指導の実際と家庭養育上の問題点を探り,看護婦としての対応を考察する.
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