特集 看護者自身の中の准看制度
〈提言〉一定の経験を経た准看護婦に看護婦国家試験の受験資格を
大塚 進
pp.1157-1161
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919086
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准看護婦問題はどうなったのか
昭和30年代から40年代にかけて,関係者の間で問題になり,盛んに論議せられた准看護婦の問題は,最近ほとんど忘れられたような形になっていますが,問題そのものは全く解決されていないといってよいでしょう.その間にも,1954年に,3000人だった准看護婦は,その後増え続けて1967年には看護婦の数を上回り,現在も,その状態は続いています.これを,いつまでもこのまま放置することはできないことではないでしょうか.
この問題が未解決になっていることによって,一番不安定な状態におかれているのは准看護婦自身です.看護現場の過半数を占める准看護婦が,そういう状態で日々を過ごしているとすれば,それは大変不幸なことであり,その意欲を喪失させ,不平不満や不信感を高めることにもなって,やがては看護現場の協力体制に亀裂を生じ,国民医療にも影響を及ぼすことになるのではないかと懸念するものです.
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