プロフィル
—長岡房枝—読売女性ドキュメンタリー賞受賞—「看護を素材に人間愛を追究したかった」
吉
pp.545
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918962
- 有料閲覧
- 文献概要
現在ではほとんど考えられないことだが、今から三十数年前の看護界では、看護婦は結婚すると仕事を続けることが許されなかった。未亡人などになって、やむを得ず復職した場合などは「出戻り」と言われ、正職員になれず臨時職のままだった。
そんな時代だったので、看護の仕事を一生貫きたかったが結婚で断念。家庭に入り、二十年以上の長い間育児と夫の両親の世話に明け暮れていたが、舅・姑に仕える日々はとてもつらく、どこへも持っていきようのない気持ちを、ぐっと自分の心の中に抑え込んでいた。だがそんな苦しさが、内なる創作意欲をしらずに育てていったようだ。「あんまり幸せだと書きたくないんですね。悲しい時苦しい時が続くと書きたい意欲が出てくるんです」
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.