マイ・オピニオン
看護部長の選出方法を問う前に
近森 美智子
1
1高知県仁淀地区国民健康保健組合病院
pp.1025
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918788
- 有料閲覧
- 文献概要
本誌6月号本欄の‘看護部長選出に思うこと’と題するご意見は,今の私の環境とかかわりがあるためか,非常に興味深く読ませていただいた.確か,私の卒業した看護学校の母体病院(大学付属病院)でも,私の学生時代に看護部長選出の選挙があり,廊下にビラがはられたのが今でも記憶にのこっている.また,卒業後在籍した厚生省所管の国立病院では,婦長試験,転勤制度がとられ,幾度となく多くの上司・同僚が他施設より転入し,あるいは転出され(私自身もその1人であったが)ていった.その中で多くの方とめぐり会い,学ぶものが多かった.そしてこの度,全く環境の違う当病院の総看護婦長として迎えられた.
多分,私を迎えるということについて,看護部の意向をきくなどして迎えられたのではないと思う.確かに看護部の中心である看護部長は,皆の意向で選ばれることは民主的で好ましいと思うし,組織の中での看護部の存在を考えても良いことだと思う.その意味においては,今の私は私を取り巻く集団に何か申しわけない感じがする.しかし現在の看護界の中で,時に婦長をも含めての看護管理の現状を考えた時,その選出方法に看護者がかかわる,かかわらないうんぬんよりも,現段階ではもっと基本的なものが真に問われなければならないのでないかと思う.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.