マイ・オピニオン
看護部長選出に思うこと
甲斐 ユキエ
1
1熊本大学医学部付属病院第2外科病棟
pp.577
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918690
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看護部長の人選は,同じ国立系の病院でもそれぞれの施設の実情に応じた方法がとられているようである.それは病院入事のなかでも重要なものであることは言うまでもないが,私たち看護婦1人1人にとっても重要な問題で,決して無関心ではいられない.トップとしての才能,資質,統率力,それに人間性までが,部下に反映するという意味で,看護部長の責任は重い.多様化する社会情勢に加えて,医療業務も複雑さを増しつつある現在,求められるもののみ多く,本人にとってもあまり喜ぶべきポストでもなさそうである.それだけに看護スタッフの協力は必須の条件であると言えよう.お互いに,努力と理解が必要なことは言うまでもないが,看護部長の選出にあたって看護スタッフがなんらかの形でかかわりを持つことができればと思う.なぜなら業務運営上からもスタッフ1人1人の連帯意識が生まれ,責任に対しても常にその重大さを認識し,不協和音も減少するばかりか,お互いの信頼関係のうえに立った率直な対話が生まれるであろうと考えられるからである.
私は3人の看護部長をおくり,4人目の部長を迎えることになるが,その間いろいろな問題に遭遇した.2人目までの選出はほとんど問題もなく,婦長会の意向を受けたかたちでの決定をみた.しかし10年前,3人目の看護部長の人選の時は大いにゆれた.結局,婦長や看護婦の意向は全面的にいれられず,現代というにはあまりに前近代的な結着のつけられ方に驚かされた.
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