グラフ
‘老い’の生きがいを手探りながら—ホームヘルパー松田さんの1日
早川 ミツオ
,
本誌編集室
pp.682-687
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918433
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老人ホームヘルパー(正式には‘老人家庭奉仕員’と呼ばれる)制度は,老人問題が大きな社会問題としてクローズアップされるなかで,老人福祉対策の1つとして発足して以来,今年で15年目を迎えた.昭和51年度の厚生白書によれば,現在全国で約1万2600人のヘルパーがおり,とくに在宅老人に対する施策として中核的な地位を占めている.
その仕事は‘老衰,心身の障害,傷病などの理由で,日常の起居に支障がある低所得の老人を訪問し,食事,洗たく,掃除,通院介助などのサービス,あるいは老人の生活,身上に関する相談,助言を行う’ものとされている.つまり,あくまでも福祉対策としての役割を担うものとして,医療とは切り離された形で規定されているのである.しかし,老人自身が病気がちであることから,ホームヘルパーの現実の活動は,この医療と福祉との谷間の最前線で,老人の生活と医療を結びつけるパイプ役をも果たすものである.
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