特集 痛みつづける患者への援助
看護に無力さを感じる時—逃れられない痛みをもった患者とのかかわり合いのなかで
成田 登美子
1
,
岡本 ヒデ
1
,
山村 つる子
1
,
園田 雅子
1
,
菅井 真理子
1
1川崎市立川崎病院内科病棟
pp.597-601
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918413
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はじめに
‘痛み!’私たちは,痛み苦しんでいる患者が何らかの方法で痛みを訴え,表現して初めてそれを知る.しかし,痛みは主観的なもので,私たちには痛みの程度ははかれず,あくまで推測にすぎない.まして癌末期の昼夜を分かたぬ痛みはそうであろう.
私たち看護者は,痛みは絶対的に個人的なもの,第三者には推定できないものと断定することを避けて,具体的にかかわりあっていかなくてはならないのであるが,ここに癌末期の逃れられない痛みに苦しんだ1人の患者について,私たちが迷いながら対処していった看護行為をもう一度振り返って,看護の姿勢を追求してみたい.
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