特集 スポーツ医学
社会体育—主としてスポーツ医学とのかかわり合いから
松井 秀治
1,2
Syuji MATSUI
1,2
1愛知県立大学
2名古屋大学
pp.220-227
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207025
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■はじめに
本誌読者の大部分を占める,医療の第一線活動者である地域の医師,学校医,産業医の多くは,何らかの形で社会体育とのかかわりをお持ちになっているのではないかと思う.しかし,筆者の知るかぎりではそのかかわり合いは,ほとんどが医療面の関係者としての表面的かかわり合い方で,積極的社会体育推進者としてのかかわり合いはまだまだ少ないといえる.
その要因は種々あるであろうが,本誌がかかる特集を組まれた主旨のように,最大の要因は社会体育への,医療関係者が積極的にかかわり合う基盤である,スポーツ医学の体系化されていないことにあるといってよい.しかし,体系化をまって事が運ぶということは科学の場でも教育の場でも,極めて例の少ないことである.研究機関や臨床の場の完備している近代医学においても,新しい分野の体系化はほとんどの場合,常に現場の直接的経験やそれに基づく情報の交流から生まれている.
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