ルポ・アメリカ合衆国のナース その生活と意見・5
セント・メリーズ病院
江元 セツ
pp.546-548
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918401
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病院長は医者でなくてもよいただし管理の専門家が条件
セント・メリーズ病院の教育婦長のミセス・パイクとの約束の時間に少し早く着いてしまったので,私は病院のロビーに座って時間を待っていた.しばらくぼんやりとしていると,いったいここはどこかしらという錯覚に陥った.とにかく,ロビーはホテルのロビーとさほど変わらないゆったりした椅子,じゅうたんが敷いてある.それに静かである.日本の病院だと,今ごろの時間は,外来の患者でごった返す時間帯なのだから.
約束の時間に看護部に行き,秘書にミセス・パイクとの約束を告げると,連絡をとってくれた.どこの病院でも看護部は独立した部屋をもっていて,もちろん婦長クラスは各自の事務室が与えられていて,秘書が必ずいるというアメリカの状態は,日本に比べるとうらやましい限りである.そして,そのことにアメリカの病院の中における看護部の占める位置の重要さを感じる.
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