特集 看護婦としての私を支えるもの—看護の先輩から新卒ナースの方へ
ある体験に支えられて
松村 悠子
1
1小樽市立小樽第二病院脳神経外科病棟
pp.472-476
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918386
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春がやってきました.同時に,看護学校を卒業し,全身に意欲をたたえた新人看護婦の誕生です.来る日も来る日も,看護とは何か,どうあるべきかと考え悩み,いよいよ巣立つ時が来たのです.臨床の受け入れ態勢も整いました.新人が戸惑わないようにと先輩たちは気を遣い,早く慣れてもらうようにとオリエンテーションの準備も終了です.
毎年,こうして巣立つ学生と私たち臨床家との出会いは繰り返されています.しかし,新人と先輩との間には溝があり,しかもその溝は‘看護’という最も主要部分における溝であり,更に深まりつつあるのではないかとさえ心配されます.しかも恐ろしいことに,新人たちのほとんどは,1年目が過ぎるころには,先輩たちと同じ姿勢を持ちはじめ,気付かないうちに1年前の夢と希望が見事に変身してしまうことが多いように思われます.
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