病める心の人とともに・3
遊びを通しての看護
羽生 りつ
1
1元国立武蔵療養所
pp.300-303
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918350
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木造平屋でロの字型の建て物は内庭も広く,患者さんにとってはかっこうの憩いの場ともなりましょう.暖房のない冬の病室はうすら寒いのですが,内庭の陽だまりは暖かく,日の光がまばゆいくらいです.
昭和30年の年の瀬も迫ったある日の午後,自然のぬくもりを求めて病棟へ足をのばしました.内庭では,長椅子に腰をかけて囲碁を楽しむ患者さん,そのすぐそばではそれと対照的に,数人の患者さんが背を丸めて下を向いて動こうともしないで立っています.私も背を丸めている患者さんたちの仲間入りをしました.
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