特集 自分の死を知った患者への援助
患者の死への不安を知りながら
石原 美恵子
1
1岡山大学医学部付属病院
pp.257-262
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918343
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はじめに
私は過去7年間を大学病院の癌病棟ともいえる重症内科で働いてきた.ほとんどの人が病院で死を迎えている現在,疾病の回復への援助であるべき看護が,死にゆく患者への看護である日が多かった.
医学の進歩により,不治の病とされる疾病も適切なコントロールにより延命効果をあげている.患者は長い病歴をもち再入院を繰り返しながら,しかし,確実に死んでいく.その間,患者は豊富な医学知識をもち,周りの人たちの死をいやおうなしに見せつけられ,軽減しない自分の症状と考え合わせ,自分自身の死への不安と恐怖をもってくる.
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