発言席
もっと光と余裕を
三井 公夫
1
1東京都板橋区赤塚保健所
pp.93
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207279
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私は農学部卒の環境衛生監視員です。薬学部の友人が「公務員になるには,保健所ぐらいしかないみたい」と,採用試験の手続きをしてくれたことによります。したがって保健所がどういう仕事をしているのか,監視員が何をするのかも知らずにやってきました。ましてや公衆衛生とはなんて,知識の片すみにもありませんでした。ところが,新入職員研修で保健所には薬剤師,獣医師,栄養士,保健婦等々とさまざまな資格をもつ職員がいることや,関連法が非常にたくさんあることを知り,己れの認識不足と無知を後悔したものです。
職場に配属されたら,「やめるならいまのうちだよ」などとさんざん言われました。そして最初の夜間勤務は,普通公衆浴場の入浴料金値上げ問題にからんで,洗髪料がとられているかどうかの聞き取り調査でした。浴場から少し離れた所で,髪の長い男女をみつけては実情を聞きました。まわりの人も「こんないやがらせみたいな仕事をさせて…」と同情してくれましたが,具体的な仕事の第一歩は昨日のことのように思いだされます。
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