研究と報告
術後患者の離床援助に関する研究
柿崎 陽子
1
,
鈴木 千賀子
1
,
工藤 恭子
1
,
沢田 つや
1
1青森市民病院第三東病棟
pp.924-929
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918216
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はじめに
手術患者の早期離床1)には,種々の利点がある.すなわち,肺の換気がよくなり,肺合併症が予防できる.血液の循環がよくなり,静脈血栓の形成および褥瘡が防止され,手術創の治癒が促進される.腸管の運動が刺激され,ガスの排出が早くなる.また,患者が回復に自信をもつことなどがあげられている.しかし,全身状態の回復をみながら徐々に行わないと危険を伴うので,ショック,心血管疾患,全身衰弱,後出血の危険のある場合,また,ヘルニア手術後は禁忌とされている.
早期離床の文献は,症例研究として報告されているにすぎない.離床の問題は,医師の診療よりは,むしろ看護に属するものであり,この意味から,看護の面より積極的に検討されなければならない.私たちは数年前よりこの問題について研究を重ねてきたが,最近では,離床の援助が特別な援助方法ではなく,日常看護の1つとして行うことができるようになったので,その援助方法と,それに伴う偶発症および注意事項などについて述べてみる.
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