特集 人工臓器によって生きる
ハンディをもつ透析患者から学ぶ
伊野 恵子
1
1川崎市立井田病院腎センター
pp.915-919
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918214
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
ここ数年,透析患者は急速に増加している.そして透析器械の開発も進み,よい透析をすることによって,患者の社会復帰もスムーズにいくようになってきた.しかし透析患者は,身体的にも,精神的にも,いろいろなハンディを持っている.また社会の中での,透析患者に対する理解も十分とはいえない.
そうした透析患者が生きていくために,透析室では,ただ透析をすればよいのではなく,透析を受けながら,患者が生きていく方向を見つけられるように,援助していく必要があろう.今まで,果たしてどのような援助をしてきたかと,改めて問うと,私たち透析スタッフの力のなさを,つくづく感じるのであるが,少しでも透析によるハンディを少なくし,人間として生き生きと生きてほしいと願い,努力を続けている.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.