マイ・オピニオン
同情心
平澤 ひろ子
1
1国立病院医療センター
pp.1109
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918006
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片足を切断した松葉杖の人に会う.まずびっくりし,どうしたのだろうと思う.自分は五体満足でよかった,あの人は不自由で気毒だな.なるべく見ないように目をそらして行き過ぎる.松葉杖の人は,ちらちらと見る他人の視線を感じながら,外出することの不快さを感じているであろう.我々は,自分が優位であるから相手にあわれみを感じ同情するといった,その場かぎりの自己満足に終わることが案外多いのではないだろうか.これは相手を傷つけていることにもなる.看護の場合でもよく同情心ということを言われることがある.同情心とは,情を同じくする心,相手の気持ちを共に考えてあげる心の動きといったものだろうか.
ここに,死を目前にした人の患者さんの看護場面を紹介し,一緒に考えてみたい.
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