看護相談室
妄想幻覚のある精神科患者/組合活動に走る仲間たち
小坂 英世
1
,
酒田 みち
1東京精神障害者を守る連合会
pp.58-59
発行日 1969年6月1日
Published Date 1969/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917624
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精神科に勤務しています。精神病の場合,よく患者の訴えの背景に,妄想幻覚のあることが多いですが,こうした場合の訴えにはどう対処すべきでしょうか。
具体的な例を申し上げますと,患者さんで,体中から糸が出る,看護婦さん「切ってください」という人がいます。切ってあげれば妄想や幻覚を認め,肯定してしまうことになると思い,「糸なんて見えないですよ」といって断わるのですが,「イヤ出ている」と固執して看護室から帰ろうとしないのです。「それでは見える人に切ってもらいなさい」というのですが,看護婦さんでなければだめだといってききません。他に仕事があったりすると,そのことだけに構っておられず,ハサミで切る真似をしてすませてしまうこともあります。
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