カラーグラビア カラースコープ
角膜移植術
加藤 和男
1
1順天堂大眼科
pp.6-7
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917581
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角膜移植とは,病的な角膜を切除して,健康な角膜を移植し,視力の回復,角膜疾患の治癒,容貌の改善などをはかる方法である。これには,角膜の表面から後面までの全層を移植する方法(全層移植)と,角膜の表層1/2〜2/3くらいの部分のみを移植する方法(表層移植)とがある。また,目的によって,光学的治癒的,整容的角膜移植の3つに分けることができる。
光学的角膜移植は,角膜の混,変形が原因で著るしい視力障碍のある場合(角膜白斑,変性,円錐角膜など),病的角膜を除去し健康で透明な角膜を移植することによって視力を回復させる目的で行なわれる。一般に角膜移植という場合はこの目的で行なう場合を意味する。視力障碍の原因が角膜以外にある場合には手術の適応にはならない。円錐角膜ではほぼ100%,その他の角膜疾患でも約60%はその目的を達する。
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