ベッドサイドの看護
術後患者の苦痛を除くくふう—東洋医学を導入して
蓮池 よ志子
1
1東京逓信病院外科病棟
pp.61-62
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917558
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近年,西洋医学の進歩はめざましく,特に外科的手術手技の向上,麻酔の発達に伴って術中・術後の患者管理が充実し,大手術を受ける患者の苦痛も著しく減少し,回復も早くなった.特に術後の創痛に対しては,麻酔覚醒後,鎮痛剤の注射,直腸内投与(坐薬)のみならず持続硬膜外麻酔(あらかじめカテーテルは硬膜外腔に挿入されている)の施行により,ほとんど劇痛の訴えはなくなった.しかし,術後第1病日ごろより患者はむしろ全身の倦怠感,筋肉痛,頸部痛,肩こり,背部痛,腰部痛,下肢の倦怠などの訴えが多い(老人よりもむしろ術前まで活躍していた壮年層や青年層に多い).これらの苦痛を排除するため,頻回の体位交換,従来より使用されている子ぶとん,スポンジ,円座などを用いるとともに,東洋医学の指圧法,マッサージを導入して試みたところ,患者に感謝された例が多いので,ここに紹介する.
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