器械の使い方
床頭台のくふう
島内 武文
1
1東北大病院管理
pp.1134-1136
発行日 1966年8月10日
Published Date 1966/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201425
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人手を減らすくふう
最近の看護婦不足は当分緩和しそうになく,一般に人件費の増加は多数の病院に赤字をもたらしてきた。人手の節約は何にもましてわれわれの当面の課題となつている。ことに従来安価な人手をあてにしていた病院診療所においては,あらためて人手を減らすくふうが必要であり,病院業務の大部分を占める看護についてはことに真剣な合理化の努力が必要となつてきた。いわゆるProgressive Patient Careといつて,集中治療病棟やセルフケア病棟を分けて看護を行なうこころみもその一つである。最近は人手の値段は高くなつた反面,物の値段はかなり安くなつたのであるから,病棟や病室の設備を充実することで少しでも看護婦の仕事を減らすことが考えられねばならない。
元来洋式建築である病院の病室では,日本の畳の部屋とはちがつて,ベッド・イス・戸だな・洗面台などの造作や家具が必要欠くべからざるものである。まして患者は種々の点でその行動が制限されているので,いつそう設備にくふうが必要である。しかるに従来の病室はベッドがポツンとあるだけの殺風景なものが多く,かろうじて安い人手のサービスでこれを補つていたにすぎない。今後はこれに少なくも床頭台・ベッドテーブルなどの設備がそなえられて患者の便宜につとめなければならない。
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