特別寄稿
看護設備,用具をくふうする
清水 釤太郎
1
1厚生省医務局国立療養所課
pp.34-38
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911902
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看護婦の不足問題が最近の話題となっていますが,一方,病院の増設などは年々増加の傾向にあり,当分この不足問題はかたづきそうにもありません。パートタイムの看護婦さんを採用するとか,看護婦養成所の養成能力をフルに活用するとか,いろいろの手が考えられているようですが,これとてもすぐに問題解決に役立つということではないように思われます。現在,病院で勤務している看護婦さんたちは欠員補充を心待ちにしながら患者の看護に日夜奮斗しているわけでありますが,ふりかえって日常行なっている自分たちの業務を眺めてみますと,現在やっている仕事の中には,不便を感じながらも設備がないままに労力を費している面が多いことに気づいている人が多いのではないかと思います。看護の業務は機械化できる要素が少ないとよくいわれますが,業務を仔細に分析してみますと,らよっとしたくふうでずいぶんと労力が軽減できる面が案外多くあることに気づくはずです。われわれの国立療養所におきましても,御他聞にもれず,欠員と,建物条件の悪さとに悩まされながら,看護サービスに精一杯の努力を傾けているわけですが,これら看護婦たちのアイデアから生まれ,あるいは看護業務合理化のためにくふうされ,研究された機械設備が製品化されて,能率向上に役立っているものが多くあります。
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