患者とわたし
中国の医者であった人の死
石塚 洋子
1
1元長野県S市立病院
pp.86-89
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917529
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執刀して30分もたっただろうか。執刀医がふと手を止めたのである。「ハッ」としてスタッフの目が患者のおなかに集まった。執刀医が顔をあげてみなを見まわした。そして,静かに首を横に振った。
「もうだめだ,やっぱり癌だよ」そう言っていた。
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