特集 看護計画の再検討
事例を通して考える看護計画
紙屋 克子
1
,
山田 百合子
2
1北海道大学医学部付属病院脳外科看護管理室
2北海道立札幌北野病院
pp.1200-1204
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917389
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はじめに
1人1人の患者は個別の問題を持ちながら,更に病院という規制された集団社会の中で多くの患者と共有する問題をかかえつつ,日常生活をおくっている.看護婦がこれら患者の個別の問題解決のために力を貸し,また生活の場の調整者として活動していることは改めて確認するまでもない.そしてこれらの看護活動が看護計画に基づいて展開されていることも多くの人びとが認めるところである.現在の臨床場面において看護計画は,その必要性や意義が今更取りざたされることが不自然なほどに定着した感がある.それはほとんどの臨床看護婦が,看護計画を立てなければならないもの,あるいは立てられてしかるべきものとして受け入れている状況からも,容易に判断できる.事実,臨床における‘看護計画’への抵抗は皆無に近いが,問題もまた多い.看護計画のプランナーであり,実践者である臨床看護婦がかかえている問題は,看護計画の理論を実践場面でどのように展開してゆくのか,という点に集中しているようである.
そこで今回は,これまで私たちが試みた看護計画について,実践者の立場から考察し,今後の方向性について私案を述べ,皆様のご批判をあおぎたいと思う.
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