特集 生活をささえる防災計画—阪神・淡路大震災の教訓
災害にそなえる備蓄計画—東京都の事例
長岡 常雄
1
1東京都衛生局医療計画部
pp.254-257
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901458
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1923年に発生した関東大地震(M7.9,震度6)は東京に11万人に近い死者と行方不明者を出し,全住宅の約7割が焼失するという大災害であったが,その後は幸いにも東京には大きな被害をもたらす地震は一度も発生していない.しかし伊豆七島では火山活動が繰り返し起こっており,1983年の三宅島雄山の噴火や全島民が島外に避難した1986年の大島三原山の噴火はまだ記憶に新しい.また台風による風水害は繰り返し東京にも大きな被害をもたらしているし,近年東京直下の地震の発生についても危惧されている.こうしたことから自然災害に対する日常の備えを怠ることはできない.都では関係機関と連携して都内における災害対策の基本である東京都地域防災計画1)を策定してこれらの災害に備えているが,この計画は1995年に発生した阪神・淡路大震災の教訓を生かすべく緊急の見直しを現在行っている.
本稿では都の防災計画のうち主に震災対策に関係する備蓄計画について,その概要を紹介するとともに,1994年に行った都内の病院が災害に備えてどのような対策を取っているかの調査結果の概要を報告する.
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