マイ・オピニオン
リハビリテーション看護に思う
三木 貴子
1
1須磨赤十字病院
pp.965
発行日 1975年10月1日
Published Date 1975/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917341
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日常の看護のなかで,なんと広範囲に重要なウテイトを持っているものと,つくづく考えさせられるものに,リハビリテーション看護がある.このリハビリテーション看護は,病気の発生と同時に必要とされるものであり,治療医学の初期から入ってくるものである.その毎日の看護行為も,現在の私たちの持っている基礎看護の技術だけでは,まだまだ間に合わず,応用も効かないことを痛感する.これは残念ながら,今まで治療医学のなかだけで教育されてきた看護学に欠けているものでもあろう.
このようなリハビリテーション看護の占める位置や範囲が,いかに重要で広いものかを見直し,専門化した分野の教育が加えられなければならないと思う.PT,OTや医師よりも,まだまだそのチャンスに恵まれている看護婦に課せられるものは,大きく無限である.そこにはセルフケアから排尿・排便の訓練,尿失禁のコントロール,褥瘡の予防とその処置,種々な装具の着脱,体位変換など,日常の看護行為の1つ1つすべてにつながるものが含まれている.基礎看護をもとに,ベッドサイドの訓練や病棟内外を利用しての訓練によって,看護を通しての独自の立場で協力援助して,リハビリテーションの成果をあげるように努めなければならないし,また心理学やカウンセラー的一面も,不可欠なものとして学んでいかなければならないと思う.
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