ベッドサイドの看護
痴呆ある老人患者の排尿訓練を試みて
永井 てる子
1
1大阪市立弘済院付属病院看護部
pp.493-497
発行日 1975年5月1日
Published Date 1975/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917246
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はじめに
社会の種々な因子により各病院ともに老人患者が増加しつつある現在,家族は老人を病院に委託してしまえばほっとする気持ちが強いのか,面会の足も遠くなり,退院については医師の退院許可があるにもかかわらず,容易に受け入れられないのが現状である.ここに述べる事例の中の1例は,老人性痴呆にて失禁状態であるが,入院の必要性は少なく,自宅か特別養護老人ホームが望ましいと考えられるが,家族は退院を望まなかったので,施設変更までの期間,おむつ除去を目標に排尿訓練を誠みた.また1例は糖尿病性膀胱無力症にてバルンカテーテルを留置していたが,抜去を目標に排尿訓練を行った.事例1については老人性痴呆,事例2については脳動脈硬化症,さらに高齢者であるため,その経過ははかばかしくなかったが,実際に行った看護を述べてみたい.
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