Japanese
English
短報
長年の間反抗的な態度をとっていると誤解され懲罰を加えられていた発作性失語症の1例
A Case with Paroxysmal Aphasia Masquerading as Intentional Bad Behaviour
兼本 浩祐
1
,
阿部 隆二
2
Kousuke Kanemoto
1
,
Ryuji Abe
2
1国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター
2国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター呼吸器外科
1Utano National Hospital, Kansai Regional Epilepsy Center
2Respiratory Department
キーワード:
Epileptic aphasia
,
Sleep grand mal
,
Misunderstanding
Keyword:
Epileptic aphasia
,
Sleep grand mal
,
Misunderstanding
pp.1009-1011
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903314
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前兆としての失語発作は,すでに19世紀末から様々の著者によって論じられ3,12),いくつかの体系的な総括も行われている1,2,5)。しかし,複雑部分発作の前兆である場合4,7,8,11,13)を除いては,失語発作はしばしば脳波所見に乏しいことと相まって見過ごされやすい病態である。今回,我々は,年余にわたる失語発作が,時に聴覚失認を思わせる症状をも随伴していたにもかかわらず,単なる態度の悪さと誤解され続け,折檻を繰り返されていた症例を体験した。この症例は,カルバマゼピンの投与によって発作を抑制することができた点で,治療的にも意味があると思われたので報告する。
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