寝たきり老人の訪問看護—都下東村山市の訪問活動を通して

はじめに

　第2次世界大戦の前後を境として医学の進歩はめざましい．看護の分野も疾病中心の看護から，疾病を持つ人間の看護または病人でいるときだけでなく，健やかな時に至るまでの包括的な看護へと概念が明確にされてきている．

　死因別統計をながめてみると，明治から昭和の戦前にかけて，上位を占めていた肺炎・気管支炎・結核・胃腸炎などの感染性疾患は戦後次第に後退して，これらに代わって成人病と不慮の事故が台頭してきている．