2色ページ 人間発達学入門・3
運動発達と発達の一般的法則
上田 礼子
1
1東京大学医学部保健学科母子保健室
pp.1318-1321
発行日 1973年10月1日
Published Date 1973/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916786
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人間の赤ちゃんは人間として生まれたことによって,生まれながらに具備していると考えられる能力,あるいは,出生後のごく初期のころから比較的早く発達すると考えられる能力をもっていることなどについて述べてきたが,赤ちゃんがその後どのように発達していくのかについて今回は,身体・運動能力の発達を中心に話をすすめたい(身体面の発育値などについては小児科学および小児看護学の教科書を参照していただきたい).
正常な赤ちゃんの運動機能は,脳神経系の成熟に比較的強く関連していて,一般的に,上部から下部の方向(cephalo-caudal direction),中心部から末梢部の方向(proximo-distal direction)へと比較的順序よく発達する.運動機能の発達は外部から誰でも認めやすい面であるが,発達にしたがってその能力がどのように増大していくのかについて述べてみよう.
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