特集 質の高い排便ケアを継続する
個別の排便ケアから地域包括的排便ケア支援システムへの展開
榊原 千秋
1,2
1コミュニティスペースややのいえ・合同会社プラスぽぽぽ
2NPO法人いのちにやさしいまちづくりぽぽぽねっと
pp.594-598
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200504
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排便ケアを学ぶようになったいきさつ
私は、愛媛県津島町(現宇和島市)の保健師を経て、1988年に石川県小松市にある社会福祉法人松寿園で在宅ケアにかかわるようになりました。当時、高齢者施設では布おむつに大きなナイロン生地のおむつカバーが主流の時代でした。やがて紙おむつが登場しますが、決して質のよいものとはいえず、夜間の排尿で早朝には紙おむつに収まらず全身ぐっしょりという状況で、介護者の疲労も著しく、よいおむつがあれば、どうにかなるのではないかと思いながらも方法も手段もわからず、日々悩んでいました。
折りしも、NPO法人日本コンチネンス協会会長の西村かおる氏が、排泄ケアを専門とする看護師として英国から帰国し、1989年3月、日本コンチネンス協会の前身である「失禁勉強会」を立ち上げました。その後、「コンチネンス研究会」という名称を経て、1993年7月には「日本コンチネンス協会」と改称し、全国にコンチネンスケアを広めるべく講演活動などを始めた頃でした。
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