学生の研究
危篤時の看護に関する一考察—重症筋無力症患者の看護を体験して
関 初子
1
1長崎大学医学部付属看護学校
pp.462-467
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916620
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I.はじめに
私たちが看護活動を行なううえにおいて,精神看護というコトバを往々にして用いる.検査や手術に対する不安,予後に対する不安……とその対象となる場合はさまざまである.しかし,それが最も強く要求されるのは,危篤時においてではないかと思う.
危篤状態に陥った患者に対して,行なわれる看護活動のひとつひとつの原則は,他の患者の場合と同じであるが,そこには家族をも含めてのいっそうの精神看護が要求される。つまり手術などのために,日常生活の全面にわたって介助が必要な一時期だけ付き添っている家族に対する看護と比べ,この場合には家族との人間関係が非常に切実な問題として,浮きあがってくるのである.
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