ベッドサイドの看護
母親教室による外来の妊産褥婦の保健指導
今畠中 キヌ子
1
1国立都城病院産婦人科外来
pp.444-448
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916616
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I.外来看護とは何か
病院のなかにあって,外来看護婦として,患者に,毎日どれだけの看護の時間をかけているだろうか。患者がいる以上,看護があるべきである.当然なくてはならないと理屈では十分わかっていながら,外来の受け付けが始まると,来院する外来患者とは,あいさつするぐらいの対話しかなく,診療の介助だけに終わってしまいそうになる.患者心理を理解するうえからも,家庭の状況や背景などを把握するには,あまりに短い時間である。なんと,あわただしく,徒労に明け暮れていることだろうか.
外来受持(産婦人科)になって,3か月ぐらい過ぎたころだったと思うが,看護婦として痛切に感じたことがある。それは,患者のそばにいて,身辺の世話をし,会話をする,そういう病める人との日常的な接触のないさびしさである.
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