研究
集団指導としての母親教室
加藤 幸子
1
1中保健所
pp.37-40
発行日 1960年10月10日
Published Date 1960/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202191
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I.緒論
遠く昭和24年6月,当時進駐軍におられたマチソン氏の提唱で,母親教室が妊婦の保健指導の1つとして実施され,現在迄に全国で多数の方々が受講しその効果を挙げつつある.しかし受講した人数は,対象となる妊婦数からみて決して多い数とはいい得ない.母親教室の目的は,母性に対して母親となる為の摂生や準備,知識を与え,実際の正しい取り扱い方を教えて,科学的な健康生活をさせ,次代をになう赤ちやんを分娩させるためにある.しかし母親となる為の準備に対しての関心をもつ人がきわめて少いように思われる.また最近は,未熟児養育事業も開始されているが,この未熟児も妊娠中の摂生や知識によつて防止できるものも少くない.この意味に於ても,より多くの母性を参加させ,正しい知識の普及の1つとして教室は最も適当であると思う.私共の少い経験に於てではあるが,この必要且大切な教室により多く参加させる方法や,またその結果についてはあまり見聞していない.そこで当所では妊婦全員参加を目標として地区事情を考慮,実施した一回母親教室の結果について報告する.良き批判を得たいと思う.以下母親教室参加者と母親教室を経過した育児クラス参加者からの調査表の比較と,私共の簡単な仕事量から検討してみた。
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