ベッドサイドの看護
乳房緊満強度に対するマッサージ
真田 サチ子
1
1社会保険中央病院産科病棟
pp.482-486
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916296
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母乳栄養の確立は,入院中の指導に左右されるところが非常に大きいといわれている.
乳房の緊満も良好で分泌もよい褥婦は,新生児も十分哺乳が可能で問題はない.緊満分泌ともに不良のときには乳房マッサージ,栄養の補給,泌乳ホルモンの使用などが考えられるが,ここで取り上げたいのは,乳房の緊満が強度であるのに分泌が不良の褥婦である.このような場合は乳腺に乳汁はたまっているが,乳管が開通していないため乳汁うっ滞を来たしており,そのままにしておくと褥婦は乳房の緊満感,熱感,疼痛が強く,肩こり,頭痛,夜間は不眠を訴えるものが多い.また退院後乳汁うっ滞から乳腺炎を起こしたり,分泌が悪いため授乳を怠っていると,やがては緊満も分泌もおとろえてしまい,人工栄養に切りかえることになる.
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