看護風土記
長野/和歌山
横山 孝子
1
1厚生連佐久総合病院
pp.9
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916168
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樹々が芽をふく春から全山紅葉する秋がくるまでの短い半年を,信州の農民は人の2倍働くといいます。一見平和に見える美しい山河の中で,ここに生きる人びとのきびしい自然条件に対応するたくましい姿でありましょう。
ところが最近では,高度成長や減反問題などが加わって,人びとの生活は非常に過酷なものになっています。文化水準なるものは上がったようにみえながら,一方に主婦農業の母ちゃんたちの過労や貧血の問題がおきています。育児や食生活に気をつかうゆとりがなくなり,夏にすり減らした体を,秋が終っても休める暇なく出稼ぎや日雇い,工場通いにと出ざるを得なくなっています。また,農薬中毒や耕運機流産,ハウス病など新しい農業病もおきています。
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