Medical Topics
トキソプラズマと先天異常,他
E.M.
pp.96-97
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916033
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先天異常のなかでも奇形はもっとも問題の多いものの一つであるが,それをおこす感染症として,風疹,トキソプラズマ症,サイトメガロウイルス感染症の三種類が現在確認されている。このうち風疹によるものはかなり発生率も高く,また研究も進んでいるが,あとの二つはまだわからないことが多い。
トキソプラズマは4〜7×2〜3μの三日月ないし紡錘形の小さな原虫で,豚,羊,牛,犬,猫などの各種の家畜や愛玩動物に寄生しており,日本での感染病は豚10〜15%,犬20%,猫50%ぐらいと推定されている。そして人への感染はこれらの動物の排泄物との接触や,家畜の肉,とくに豚の生肉を食べることにより,経口,経皮,経鼻などの感染経路による。
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