特別寄稿
アメリカ留学に得た乳がんの看護Ⅰ
西森 聰子
1
,
南 裕子
2
1東京女子医大看護短大
2高知女子大家政学部衛生看護学科
pp.82-89
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916000
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はじめに
乳がんの看護については,すでに,いくつか発表されているが,いずれも乳房切除術と,その後の簡単な機能訓練に重点がおかれていたように思う。私たちは,乳がんをもった女性を,治療と看護の狭間にあって,こま切れ的に見るのでなく,乳がんにかかわり合いをもち始め,治療と看護を受けている女性を,その過程を追って女性の生命と人生を中心にしてみつめてみたいと思う。
アメリカ留学中に,非常に多くの乳がんの患者に接し,死亡してゆく姿をみつめて,自分白身が乳がんに対する絶望感を味わった。恩師Miss Thornbladは,深い科学的知識にもとずいた,自信に満ちた講義と態度で,悲観的な学生を,希望をもって立ち上がらせるよう努力されていた。
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