特別記事
ただいまアメリカ留学中
新野 由子
pp.1035-1039
発行日 1990年12月25日
Published Date 1990/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903262
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1年ぶりの日本での夏休み
1年ぶりで帰って来た日本は,物価の値上がりが著しく(例えば,このレベルのTシャツなら,前は1,000円だったのに今は2,000円もするという具合に),また例年にない猛暑で,何をする気にもなれず,1ヵ月という滞在期間のあいだ,今まで読みたいと思っていた本を読むことにあけくれた。アメリカにいる間は,どうも日本語の本を読むことに罪悪感を感じ,日本語をシャットアウトしていた。早く英語に慣れるには,自分を日本語からたち切る必要があったからだ。しかしその反面,自分の持っている知識だけでは説明しきれない問題について,何らかの自分なりの考えを持ちたいと思っていた──日本人の宗教観や,過去の侵略という土台に立った,アジアの国々に対する日本のあり方など。そこで帰国しているあいだは,思いきり日本語の本を読んで過した。
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