特集 ひろがりゆく波紋—“ニッパチ”を追って
浮かび出る“よい看護”—ニッパチ闘争その後
本誌編集室
pp.20-27
発行日 1969年12月1日
Published Date 1969/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914703
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昨年春,新潟県立病院に火の手を上げて以来1年余,看護婦による増員・夜勤制限の声はまたたく間に全国津々浦々に被いわたった。なんらかの形で,病院当局との間に,増員夜勤制限および諸待遇の改善に関する協定を得た病院は優に200を越え,その具体的な成果もさることながら,看護婦問題がただ単に看護婦にとっての個別的問題でなく,国民の健康生活に深く関わる社会問題であるという国民的世論をもつくり出して,この運動は,現代看護史に画期的なページを加えつつあるかにみえる。
昨年9月,私たちは運動の口火を切った新潟に直接赴き,その実情をつぶさに伝え,その持てる意義について考え,問題提起した。そこで看護婦の置かれた実情,掲げられた要求内容の普遍性,運動方法の新鮮でユニークなありさまなどについて触れ,この運動の進展が一新潟県内の病院に止まり得ないこと,その拡大深化を予想もし,また期待もした。今日の事態は大方の点で,そうした私たちの予想・期待に違わぬものとして展開されているかのようだ。
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