特別掲載 話し合い
ぜんそく児サマーキャンプを終えて
北山 徹
1
,
笠原 トキ子
2
,
早川 彰子
1
,
森 秀子
3
,
岩橋 富美子
1
,
橋本 裕子
1
,
小野寺 美代子
1
,
井上 靖子
1
,
境 弘子
1
1関東逓信病院小児科
2関東逓信病院
3東大保健学科大学院・心理
pp.50-55
発行日 1969年12月1日
Published Date 1969/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914709
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目的は自主性を高め闘病心を養うこと
北山 ぜんそく児の収容施設は全国的にも非常に少なく,またぜんそく児のサマーキャンプもなかなか具体化が困難なため,まだ全国的にもわずかなところでしか実施されておりませんが,私どもの病院では本年夏,初めて,医療設備の整いました伊豆逓信病院を利用し,多くの医師・臨床心理学者・看護婦・児童指導員・その他関係事務の方々のチームワークと絶大な協力によって,かなり長期にわたる医学的治療を施されていたぜんそく児のサマーキャンプを実現することができました。まず事故もなく無事成功に終わりましたことを喜びたいと思います。
はじめに,このサマーキャンプを企画しました目的・意義について,簡単に述べさせていただきます。最近ぜんそくは増加してきているといわれますけれども,確かにわれわれの小児科でもその数は年々ふえてきているようです。特に注目すべきことは,薬物療法が無効となり,ぜんそくの発作をコントロールすることのむずかしい症例が次第に増加してきているという事実です。これはぜんそくという病気を,ただアレルギーという一面だけを見て解釈できる単純なものと考えないで,もう少し幅広く,心身両面から全体医学的に考えて治療せねばならぬことを示すものだと思います。
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